アウトラSの設定と使用上のヒント
1. はじめに
3回目では、Wordのアウトラインプロセッサー化のためのスタイルの各種設定について紹介します。必要なスタイルを表示して、その設定を行います。文章中に示した表を見ながら設定を行えば難しいことはありません。見出し1、2,3では先頭に、「番号」、「▶」、「〇」が付きます。「▶」、「〇」は「游ゴシックMediumのフォント」であることにご注意ください。
2. 今回の作業前に終わっている設定(規定の設定とスタイルウインドへの表示)
- (1)新規文章を作成し、「フォントの既定」設定、「段落の既定」設定が終わっている(2回目参照)。
- (2)「標準、表題、見出し1,見出し2、見出し3、リスト段落、本文」がスタイルウインドにこの順番で表示されている(2回目参照)。
- (3)アウトラSの仕様に関しては、1回目を参照してください。
3. アウトラSの外観(設定終了後の姿)
本紹介の手順が終了した時の外観を示しておきます(1回目参照)。
4. 「スタイルの変更」から行う設定
「スタイルの変更」画面から行う変更点をまとめると下の表になります。スタイルのウインドで、スタイルを選び右クリックで「変更」を選び、「スタイルの変更」ウインドを表示して行ってください。
- 補足1; インデントが文字数になっていたら、オプション→詳細設定→表示で「単位に文字幅・・」のチェックを外す。
- 補足2;文字下げは「文字数」の指定になります。mmしか出ないときには、「1文字」と入力する。
▶ 設定例(見出し1の場合)
▶ 設定例( 見出し2(先頭文字の設定部分のみ))
目的の記号がない場合、「新しい行文字の定義」から、「游ゴシックMedium」のフォントで、必要な記号を作る。
5. 「リストインデントの調整」の設定
デフォルトでは、リスト(見出し1、2,3、リスト段落)の記号の後ろにはタブが設定されています。このタブによって文章が飛ばされずれが起こります。これをさけるために、「タブ」ではなく「スペース」を設定します。「リストインデントの調整」ウインドは、リストの番号・記号を選んで右クリックすると出てきます。「リストインデントの調整」ウインドの表示法は分かりにくいので、設定法を説明します。
- (1)サンプル文章を作る。ここまでの設定で設定が終わった状態で、スタイル「標準」の状態で、標準、表題、見出し1、見出し2、見出し3、リスト段落、本文と入力し、さらに、それぞれに、対応するスタイルを適用します。
- (2)リストの番号・記号部分を選択し、右クリックすると「リストインデントの調整」が出るので、それを選びます。
- (3)「番号に続く空白の扱い」でスペースを選びます(下の例は「見出し1」)。
6. その他の設定(「ファイル」→「オプション」内のコピペ、自動調整類の設定)
▶ コピー・ペーストに関するオプションの設定
文章を移動、コピー、ペーストを行うと、時々、スタイルが狂うので、オプションの「切り取り、コピー、貼り付け」を以下のように設定しました。
▶ 「オプション」→「文書校正」の中にある「オートコレクトのオプション」の「オートフォーマット」を全部offにする
この他、コピペすると、スタイルが変わってしまうことがあるようなので、これを避けるため、オートフォーマットを停止しました。ただ、この操作がどのくらい有効なのかは、現時点では、十分に把握しきれていません。
7. 最後の設定(スタイルギャラリーの設定、wordテンプレートへの登録)
▶ スタイルギャラリーへの表示
「スタイルギャラリー」とは、上部の「ホームリボン」に表示されている「スタイル」ことです。ここに表示されていると、「スタイルウインド」を表示しなくても、スタイルを選べるので便利です。この「スタイルギャラリー」にスタイルを表示するには、スタイルウインドで目的のスタイルを右クリックし「スタイルギャラリーに追加」を選びます。アウトラSの場合、「見出し1,2,3,リスト段落、本文」をギャラリーに表示し、「標準、表題」をギャラリーから削除しました。
▶ テンプレートへの登録
すべての設定が終わったら、適切なファイル名を付けて「Wordのテンプレート」として保存しておきます。「ファイル」→「名前をつけて保存」で「ファイルの種類」で「Wordテンプレート」を選んで保存してください。新規な文章を作成するときには、このテンプレートを利用してファイルを作成します。
8. 設定手順の簡単なまとめ
Wordのスタイルを活用してアウトラインプロセッサー化するための具体的な設定内容について解説しました。最後に、構築の順序をまとめておきます。慣れると案外簡単な設定です。
- (1)フォントの既定の設定
- (2)段落の既定の設定
- (3)必要なスタイルの表示
- (4)スタイルの変更(標準、表題、見出し1~3、リスト段落、本文)
- (5)リストインデントの調整の設定
- (6)コピペ、自動調整に関するオプション設定
- (7)スタイルギャラリーの調整
- (8)Wordテンプレートとしての保存
9. 「アウトラS」の使用上のヒント
▶ 文章の折りたたみ・展開
見出し1,2,3の数字・記号の上にカーソルを置くと、数字・記号の前に小さな直角三角形が出ます。これをクリックすると文章が折りたたまれます。もう一度押すと、展開されます。
▶ 項目全体の移動
折りたたんだ状態で見出し全体を選択し、それを移動すると、項目全体が移動します。移動は、ナビゲーションウインドでもできます。ナビゲーションウインドでは見出しの文章選択がない分、容易に移動ができます。
▶ リスト段落の番号を(1)からにする
リスト段落の番号は前の文章の影響で「(1)」から始まるとは限りません。入力後にリスト段落で右クリックすると「1から再開」がありますので、それを押すと、リストは「(1)」からの表示になります。
▶ 表を挿入する
表の挿入はスタイル「本文」の箇所で行います。位置や幅の変更は自由です。
▶ 他の文章からコピペすると「ずれ」が起こる(かもしれない)。
オートフォーマットOFF等対策はしましたが、それでも、多少の「ずれ」は起こるかもしれません。「ずれ」を気にしすぎると文章作成の気が散ってしまいます。そうならないように、ある程度許容しながら使うことをお勧めします。
10. おわりに
「アウトラS」を使うと、論理的な文章を作りやすくなる、知識・勉強をまとめるデータベースの構築ができる等、あなたの仕事や学習や趣味に大いに役立つと思います。活用してくださいね!